Startup Weekend Osaka 2013.4.19->21の優勝で学んだこと

Posted by kwmt on Tue, Apr 30, 2013

はじめに

何年ぶりだろう。1位というのは。中学か高校で数学の成績が学年1位となったことがある以来か。ん十年前の話しか。こんなに気持ちいいのか。

2013/4/19-21の3日間、大阪で開催されましたStartup Weekend Osaka(以下、SWO)というイベントに参加してきました。

イベントの詳細はリンク先を見てもらいたいのですが、誤解を恐れずに簡単に言うと、「新しく考えたビジネスが儲かるかどうかを競い合うイベント」です。

そのイベントで参加したTeamが優勝したので、やったことそれによって学んだこと感じたことなどを書きとどめておこうと思います。

理由

まず私がこのSWOに参加した理由は、私は現在会社勤めなのですが、「起業に興味はあるけど具体的にどうするの?」ってのがよく分からなかったので、これに参加すれば分かるかも?と思い参加しました。

事前説明会にて

Startup Weekendでは以下の3つが評価基準となります。

  • Business model(お金になるん?)
  • Customer varidation(確かめたん?)
  • Execution(何やったん?)

括弧内は、極端に簡潔に日本語で言うと、そんな感じということです。Business modelは、プランではなく、ビジネスモデルを作ります。価値があるかどうかです。つまり、買う人がいるかどうかということです。

そういう買う人がいるかどうかを確かめます。これがCustomer varidationです。この確かめるときに質問をしますが、正しい質問をしないと、正しい答えを得ることができません。そして確かめるために何をしたのかというのがExecutionです。

この評価基準は頭では理解したけど、具体的にどうなのかは、このときはよくわかりませんでした。が、後になって嫌でも考えることになります。

さて当日

チーム結成前後

チームが決まるまで

1分ずつ自分のアイディアを希望者が発表して(ピッチという)※、それを聞いて賛同したらチームが結成されるのですが、「日本の文化で世界にチャレンジしたい。着物を海外にレンタルする」という案に共感したので、そこに参加することにしました。

※初日のピッチ(1分プレゼン)はする予定はなかったですけど、急遽思い立ってピッチしてみたら、プレゼン力のなさすぎて心折れました。ポキッ。次に行くならピッチの練習していく必要がありそうです。

うちの実家も着物を取り扱っていた商売をしていたのですが、着物がだんだん着られなくなったあおりをモロにうけている実情を知っていたため、正直うちの実家を助けたいということが共感したきっかけです。

他にも理由はさまざまだと思いますが、メンバーが集まってきて、全員で6名のチームが決まりました。このときはまだ分からなかったですが、チームワークが非常に良かったと思います。誰かが1人が独裁することもなく、全員が自然に助けあっていたと思います。

チームが決まってから

これからメインですね。これから最終日まで回り道もしたけれど、すべてのことが良い感じに噛み合ったんじゃないかなと思っています。

その中で1番貢献したなぁと思っているのは、アンケートフォームを全チームの中で一番最初に作ったことだと思っています。方向性は1日目で決めていたので、アンケートを作るだけではあったのですが、それでも全チームの中で一番早かったと思います。

アンケートを早く出せるということは、立てた仮説が正しいかどうかが早くわかるということです。正しくないということがわかれば、なぜ正しくなかったを分析して、次の確認にうつることができ、結果的に早く正しい質問と正しい回答が得られました。(事前説明会で分からなかったことが分かった気になりました。)

こうしたほうが良かったかなというのを言うと、1日目にアンケートが公開出来ていたら寝ている間に少しは集まってた可能性がありますね。特に海外向けのアンケートだと日本の夜が海外の昼だったりするので。まぁそこまでは圧倒的に時間が足りなかったですが。

フィールドワーク

さて、ネット上でアンケートをお願いしている間に、街角アンケート(フィールドワークというらしい)も取りに行きました。これに心が折れた人がたくさんいるのは、言うまでもないかな・・・。

私は、フィールドワークというものは初めてでしたが、フィールドワークはやってみたかったので、「やります!」って宣言してさっそうと出て行ったものの、超恥ずかしくて、最初の一声がかけれませんでした・・・。午前中は2人でまわったのですが、私の成果は・・・。

午後から気を取り直して、頑張って声をかけてみた。すると、アンケートに答えてくれる意志は見せてもらったものの、こちらからどう展開していいか、すこし戸惑ったところもあり、ものすごくコミュニケーション力がいるなと思いました。話の流れというものがあって、アンケート用紙に書いてあることだけを読んでも駄目だし、でもアンケートに書いてあることは聞きたいし。。基本的に女性に聞いて回ったのですが、アンケートの中に年齢(年代)聞く項目があって、めっちゃ聞きにくいし。。

ということで、コミュニケーション力というか相手のことを考えるということを学びました。

例えば、次の日ですがお店の人にアンケートを聞くことになったのですが、お店の人に「アンケートをお願いしたいのですが」と声をかけたら、「いま忙しいから無理」と言われました。はたからみたらその人はただ立っているだけで、忙しいそうに見えません。それでも、「お忙しいところ大変申し訳ないのですが」という言葉を付け加えることができていたなら、もしかしたらアンケートに答えてくれてたかもしれません。

あと、質問する内容についてもその内容が「不要となった○○(そのお店のメインの商品)はありますか?」とアンケートに書いてたのですが、それは相手のことを考えた質問ではなかったと思いました。実際にお店を目の前にしたとき、そのことをお店の人に聞く勇気はなかったです。しかし、直接は聞けなくてもそれとなく聞くことは出来ましたし、それに対して答えてもくれました。それは相手のことを考えて質問した結果だと思っています。

アンケートフォームについて一言。今回作ったアンケートフォーム(Googleフォーム)は1ページにつき1人回答する分(たとえば、ネットや、フィールドワークでも1人の場合)には向いていますが、例えば4人組に同時に質問するときには向いていないと思いました。1枚の紙に、4人分回答できるような形式にしとかないと、どの人がどの答えをいったかどうかが分からなくなってしまったためです。

ビジネスモデル・ジェネレーション

さて、ネット上でもアンケートをお願いしていて、フィールドワークもやって80名ほどの回答を頂きました(ホントありがとうございました)。これからは分析しましょうということで、ビジネスモデル・ジェネレーションというツールを使いました。これはSWO始まる前にこのようなツールがありますよということで説明があったものです。これを使ってもいいし使わなくてもいいとのことでしたが、実際に使って見て情報を整理するためには非常に有効なツールだと思いました。

私は、はじめて聞く言葉で初めて見る一枚の紙でどうしたらいいか分からなかったのですが、下記を参考にしながら、私がホワイトボードに記入していきました。

http://blog.sixapart.jp/2012-04/iphone-and-times24.html

ビジネスモデルを9つの要素に分類し、「ビジネスモデル・キャンバス」と呼ばれる一枚の地図に描いていきます。

全部書いてみて思ったのですが、まさしく地図でしたね。1つ1つの要素が最初はバラバラに見えたのですが、考えていくと1つ1つの要素がつながっていくのがわかります。

考える順番はいろいろあると思うのですが、私たちは「顧客セグメント」から考えていきました。まずはだれがターゲットなの?ってことです。次にその顧客に誰が提供するの?ってことで「パートナー」を考えていきました。つながっていきそうですね。

ここでハッカソンとは違うなと思いました。ハッカソンは対象のほとんどがユーザー(顧客になる可能性はあるかもですが、それほど意識してなかった)で、このビジネスモデル・ジェネレーションの言葉を使うと、Value Proposition(価値提案)だけなんじゃないかなと思います。とにかく顧客とユーザーの違いを特に学んだ時間でした。

情報を削る

Startup Weekendの李さんのアドバイスですが、情報を削るということのアドバイスを頂きました。

ブレストをやっていると、こんな機能が欲しいよね。とかでどんどん情報が増えていきますが、核となるものつくるには削りなさいと。

ビジネスモデル・ジェネレーションを使ってみて、情報が多かったのですが、核となるものも見えて来ました。私たちはそこだけに絞りました。

時間の流れで言うと、この絞った結果で再度カスタマーバリデーションしたのですが、だいたい上で書いたので割愛。削る決断でもっとも大きかったのは、3日目の朝でしたね。これは忘れらない。いままで日本と海外を対象にして調査してきたのに、対象を海外一本にしたんです。このことが評価された1つの要素でもあるので、この決断は良かったと思います。

メールアドレス+広告

3日目の朝はもう1つ地味だけど(私にとって)大きな出来事がありました。それは、実施中のアンケートがあったのですが、リーダーから「そのアンケートにメールアドレスを記入してもらえるようににしてほしい」と頼まれました。最初は??でしたが、このことが大きな成果をもたらすことになるとは。

私は次のように書きました。

4.ニーズの調査のために、ご興味がありましたら、メールアドレスのご記入をお願い致します。

頂いたメールアドレスは、本調査のために使用し、本調査以外に使用することはありません。ニーズがありましたら、ご連絡させて頂く可能性もございます。

個人情報保護法とかも気にしながら、連絡するかしないか分からないけど、もしかしたら連絡するかもよ。的なニュアンスを出しながら書いたつもりです。このもしかしたら連絡するかもということに対して、本気で連絡してもらっても構わないと思わない限り、人というのはメールアドレスを記入しないということです。つまり、この一文を追加したことにより、メールアドレスを記入してもらった人は、私たちの顧客と考えていいということです。たとえば、新規無料登録キャンペーンなんかも、いくらキャンペーンの商品に魅力があったとしても、次にそのサービスに興味がなければ、登録しません。(もちろん登録する人もいるかもですが、大半は)。

結果がコンバージョン率(今回は1.5%)となって、お金になるかどうかの根拠となるのですが、審査員の方はこの数字がすごいということをおっしゃっていました。

広告についてですが、2日目までのアンケートはすべてTwitterやFacebookなどを頼りにチームの人脈だよりでした。しかし、3日目になって、リーダーがFacebook広告を使いますと言って、すぐ取り掛かっていました。このコンバージョン率1.5%になったのも、この広告のお陰と言っても過言ではありません。たった4時間で3人もの人が顧客になってもいいよって言ってくれてるのですから。

プレゼン

ここまで来たら後はプレゼンの準備だけ。李さんもいってましたが、Practice Practice Practice…。このように何度も練習するには、できるだけ早く案をまとめとかないと練習時間が減るばかりだと思うが、これについては早くまとまったと思います。

発表者がプレゼンの練習して他のメンバーがプレゼン資料作成して、ある程度出来たら、みんなでダメ出しして。正直練習の時点でイケるって思いましたね。たぶんメンバみんな同じ感覚だったと思います。

ビジネスモデルがあってそのモデルでカスタマーバリデーションして、実際に顧客がつかなかったとしても満足したと思います。

最後に

これはあくまでもStartupの疑似体験です。つい最近テレビで孫泰蔵氏が日本でStartupのための事業を作って実際にStartupしようとしている人がいたり、海外(特にシリコンバレー)では実際にStartupをしているところもあるという番組をみて思うことは、そのような人たち比べるとこの優勝はちっぽけなものだとも思っています。(これは、自分が優勝したことによってうぬぼれないように書いています。)実際に投資家が付いているわけでもありませんし、そもそも利益を出していない。ですが、そのような人たちに負けないようにこれからも頑張って行きたいと思います。

SWO関係者の皆様、参加者のみなさん、アンケートにご協力頂いたみなさん、そして、メンバのみんな。お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

参考

Startup Weekendで学んだ6つの大事なこと
前回参加者のブログがめっちゃ参考にさせて頂きました。このブログに書かれていることなのですが、「どんな顧客のどんな課題をどんな方法で解決するの?」を意識するのが、本当にいいです!”顧客”と書かれているところもポイントです。お金を払う人が必ずしもエンドユーザーとは限らないからです。

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